犬より物覚えが悪いと思われる理由は?猫の言い分も聞こう

犬と猫は何かと比べられる存在ですね。ペットの代表格でもあり、その性質はまるで違う為に比べるのもどうかと思いますが、やはりついと言う所でしょうか?

一見すると、犬は従順ですし、警察犬や盲導犬、介助犬など、人の世界では役に立つポジションに就いている事が多いので、当然猫よりも賢い動物だと思われています。

では、犬よりも本当に猫は物覚えが悪くて、犬よりも劣っているのでしょうか?それぞれの性質と特徴を理解しながら、その理由を掘り下げて行きたいと思います。

犬はそもそも、群れ社会の動物です。よって、リーダーによって統率され、縦一列に序列が決まっているのです。リーダーである飼い主の命令を聞き、従い認められる事が喜びであり、本能でもあるのです。それを利用して躾ける事で、犬はとても利口で賢いと思われるのではないでしょうか?

反対に猫は、単独生活の動物ゆえに、全くそういう発想が無く、飼い主に褒められたいとか認められたいから、言う事を聞こうとは思わないのではないでしょうか?決定的な習性と本能の違いがあるのに、賢いか否かを問われるのは可哀そうですね。

猫は覚えが悪い訳ではなく、どうやら覚える内容が違うだけの様です。誰が餌をくれるのか?安全な寝場所や人や物は?生きる為に必要なものはきちんと記憶しています。自分が第一であるだけで、他者との関係はテイク&テイクなのではないでしょうか?

一見すると、我儘で自分本位の様に見受けられますが、先祖代々、野生で生活してきた頃からの習性と名残であるので、仕方のない事ですね。実際に猫と犬を両方飼った事のある人の話では、生き抜く為の知恵や賢さは犬よりも遥かに優っていると言う話を聞きます。

もちろん、猫の中にも物覚えが良い猫と、悪い猫もいる様ですが、往々にして猫の行動はなかなか賢く、目を見張る物があります。美味しいご飯がしまってある場所や、どうしたらこの扉を開ける事が可能なのか?実際に自分で行う猫と、もっと上をいく猫は人を召使の様にあしらいます。

猫に夢中の飼い主は、猫に躾けられているとも知らずに、猫に従順です。まるで、犬の様ですね。人間も犬社会とは違いますが、同じく社会性を持つ生き物なので、つい従ってしまうのでしょうか?

犬は上下関係を明確にしておかないと、飼い主を馬鹿にしたり、家族に咬みついたりする事もありますので、注意も必要です。その為の厳しいしつけも必要になるので、可哀そうな気もしてしまいますが、それが本能であり特質ですので、必要な事になります。

逆に猫は、その場その場で自分の利益になる人を見分けますので、決してこちらが上位を主張せずとも知らんぷりしているだけで、攻撃してきたり、はむかう事もありません。その場での猫可愛がりが通じるのです。

では、今度は科学的な分野から見てみましょう。脳化指数とはご存知ですか?これは体重と脳の重さで測る値から、賢さを比較する指数です。

脳化指数=脳の重量÷体重の2分の3乗と言う式になります。人間が一番高くて0.89、猿は0.25、犬0.14、猫0.12となります。ここで見ると犬が多少優っていますね。

しかし、脳の重さだけでは賢さを比べるには不十分です。では脳の中身に迫ってみましょう。ニューロンと呼ばれる情報処理と伝達を司る脳の中の神経細胞ですが、これが犬よりも猫の方が倍以上多いのです。

先に述べた通り、猫は単独で生きる動物ゆえに、誰にも教わらずに生きる知恵と行動を身につけています。自分で考えて行動する辺りは犬よりも賢いのではないでしょうか?

どちらがより賢いかなどは関係ないのですが、猫の賢さもぜひ知って貰いたいと言う事でした。