猫の完全室内飼、家の中だけで幸せな一生は過ごせるのか?

猫を飼う事になった時に、猫の幸せを考えた場合、完全室内飼いを薦められる事が多いでしょう。それは本当に猫にとって幸せな飼われ方なのでしょうか?

猫の本能のままにさせてあげるならば、飼うと言う事自体が違ってくるのかもしれません。人間が管理する中で何が一番最善なのかを考えると、この完全室内飼いが今は一番、人間から見た、猫にとって幸せな生き方なのかもしれません。

実は、猫はあまり動きまわりたいと思う動物では無いのです。食事とトイレと寝床の場所がテリトリーとするならば、この3つが家の中に揃ってさえいれば良いのです。

外を自由に行き来する猫はこの3つの場所が、少し離れて存在するだけなのです。その範囲がテリトリーになっているだけなので、観察すると案外と狭い事が分かります。

しかも、一度も外に出た事がない猫にとっては、まさにテリトリー外の範囲は恐くて未知の世界なので、知らなければ知らないままで済むのです。

間違って外に出てしまった猫は、恐怖から近くで動けずに、うずくまっている事が多く、遠くに行ってしまう事はあまりないのです。

逆に外の自由を知っている猫を、家に閉じ込めておく方が難しいと言えるでしょう。猫が満足出来る空間を作り出してあげないといけませんね。

外に出すリスクとしては、交通事故や喧嘩、病気感染など様々な危険を考慮しなければなりません。近隣住宅の庭先で排泄をしたり、植木をいたずらしたりと迷惑をかけるかもしれません。

そう考えると、外に出すリスクより、家にずっといた方が安全で安心であると言えるのです。ずっと閉じ込めて居る様で可哀そうな気がしますが、責任を持って飼育する道を選んだ以上はある程度、仕方の無い事なのかもしれません。

室内飼いの猫と外飼いの猫、また外を自由に行き来する猫では寿命も違って来ます。人間ならば、寿命が短くてもいかに生き抜いたかが大切だ!なんて事を言われるかもしれませんが、飼い猫に限っては飼い主の選択によります。

ほとんどの飼い主は、可愛い猫と末永く楽しい暮らしを望んでいる事は言うまでもありません!健康で長生きして欲しいと願わずにはいられませんよね。

どちらが正しいのか?間違っているのか?とは言えませんが、今の時代はやはり、完全室内飼いが一番安全で安心である事は間違いありません。

飼い主が猫の為にしてあげられる事は、猫が室内でも楽しく暮らせる工夫をする事ですね。行動範囲が狭い猫ですが、運度量は必要になります。

猫は上下に運動する場所があると望ましいでしょう。市販のキャットタワーなどもありますが、クローゼットの上や本棚の上などを猫の為に解放してあげるだけでも十分なのです。

また、好奇心旺盛でもある猫の為に、窓際の特等席を用意してあげましょう。出来れば、外から漂う匂いを嗅がせてあげたいですね。風に乗る様々な匂いを嗅ぎ、猫の好奇心を満足させてくれるでしょう。

外で飛び回る鳥や虫を観察するのも楽しい事でしょう。猫はそれだけで、満足してくれるでしょうか?つい人間の目線でものを考えてしまうと疑問が湧きもします。

しかし、限られた空間の中でも、猫のテリトリー意識を満たし、最適な運動が出来る工夫と美味しい餌、安全で温かな寝床があれば、猫はとても幸せである事でしょう。

人間は広い世界を知っています。家の中だけの世界と比べれば、それはとても不自由に感じる事でしょう。しかし、可愛いペットを守る飼い主としての選択は飼い主が任されているのです。

可愛い子には旅をさせろ!とは少々状況が違いますね。箱入りでも良いのです。その為の工夫と努力は惜しみなく、幸せな暮らしを送らせてあげて下さいね。