猫が自力でトイレや食事が出来なくなった時の介護法

ご長寿猫が増える中、介護が必要な老猫も増えています。もしも、自力で食事やトイレが出来なくなったら、どの様に介護していけば良いか、考えただけで、不安になってしまいますよね。

長年、可愛がってきた子供の様な存在の猫でも、気が付けばいつの間にか自分より歳をとり、弱っていく姿は辛いものですが、猫も飼い主も負担にならない様なアイデアと工夫で楽な介護方法を学んでおきましょう!

もしも、餌を自力で食べれなくなったら、命に関わります。体力も体重も落ちて、衰弱するのは目に見えています。先ずは食べれない理由を探る事が重要です。

では、どんな理由が考えられるでしょうか?その1、歯や口の中に何かしら問題がある。その2、風邪や鼻炎で鼻が詰まり、ニオイを嗅ぎ分けられない。その3、胃腸の病気で食欲が無い。

これらの理由を探るには、飼い主による日頃の観察や動物病院での診察により、その原因を突き止める必要があります。それによって対処の方法や介護の方法を決めていきます。

病気によるものであれば、治療をする事によって改善する事も出来ますが、根治が難しい病気や歯が無く固い物が食べれなくなっている場合などは、適切な対処方法を考えましょう。

噛む力や飲み込む力が弱くなってきたら、少量でも栄養価が高く、消化吸収力が高いフードを選びます。摂取しやすくする為にミキサーなどにかけて液状の流動食にします。

流動食の固さは猫の好みと状態に合わせて作ってあげましょう。また、一度に沢山の量は負担になるので、一日3回~6回と小まめに少量を与えてあげましょう。

流動食を与える方法としては、猫の鼻先につけて舐めさせる方法や猫の頬の内側の口につけてあげる方法などがあります。

この方法で自力で舐めたり、飲み込んでくれれば良いのですが、それも困難な場合は注入器に吸い上げて口に流し込んであげます。

これらの方法はとても強引な方法ですので、気を付けなければならない事があります。誤嚥といって、食道ではなく気道に入らない様にする事です。

間違って気道に入ってしまうと、窒息や肺炎になる事があります。それを防ぐ為には、飲み込める量にする事や与える時の体勢や食後の見守りなどを怠らない事が必要です。

いずれも、特殊なやり方なので、動物病院などで指導を受ける事が良いでしょう。本などを見て独自で工夫するには危険も伴います。

次に、トイレですが、猫が自力で排泄ができなくなってしまったら、とてもハードルが高い介護だと感じるでしょう。

トイレでの失敗が多くなったら、飼い主が手を貸してあげる事が必要になります。シニア猫の為のトイレの工夫も必要ですが、それでも自力で行けなくなった場合などは、おむつと言う選択があります。

猫用のおむつも市販されていますが、人間の赤ちゃん用のおむつを工夫して使う事も可能です。尻尾の部分に当たる所を切り取り、装着させますが、ずり落ちてこない様に犬用のサスペンダーなどで固定します。

それでも、困難な場合は圧迫排尿や排便などの方法があります。便秘を防ぐ為にお腹のマッサージや適度な油分の補給なども必要になってくるでしょう。

これらの方法は決して、飼い主が自力でやらなくてはならない事ではありません。このような方法があると言う事をまずは知っておいて欲しいと思います。

動物が自力でトイレや食事が出来なくなると言う事は、すでにお迎えが近い事を意味します。その状態を受け入れられない飼い主達はどうしても色々な事をしてしまいがちです。

最期はどんな手を尽くしても、後悔が残るのが介護です。猫にとって本当に幸せな事は何か?きちんと向き合い考えてあげて欲しいと心から思います。