猫の発情から妊娠、出産まで、今時の猫の子育て事情

猫を飼い始めるにあたり、もしも雌猫を飼うとしたら、出産をさせるか否か考えると思います。純血種の場合は他の種と交配させると、出産困難に陥りやすく母体が危険にさらされる事も多いと聞きます。

また、雑種の猫に限っても、外を自由に行き来出来る猫は避妊手術をさせないと、妊娠してしまう事もあるでしょう。いずれにしても、飼い主である私達にもこの事は重要な選択肢であります。

では、もし子猫を産ませる事を選択した場合は、猫の子育てってどんなものなのでしょうか?雌猫の発情から出産までを順にチェックしてみましょう。

まず、雌猫の発情時期ですが、早い猫では4ヵ月頃から発情サインをみる事が出来ます。平均すると約10ヵ月頃には発情が定期的に訪れます。

1回の発情は10日から14日間続き、次の発情まで約10日ほど、また年2~3回ほど訪れ、日照時間が長い春先から秋頃まで続きます。

発情のサインとしては、腰を上げるしぐさ、擦りつけしぐさ、くねくねと床をローリングする様なしぐさ、また尿スプレーやいつもより高い声で鳴くなどがあります。

雌猫のこの様な発情サインに促され、雄猫も発情して交尾に至ります。ですから、猫の恋の主導権は全て雌猫が握っているのですね。

猫は交尾をする事によって排卵がおき、妊娠をします。猫の妊娠期間は平均すると65日間です。この妊娠期間中に雌猫には様々な変化が起こります。

妊娠初期は食欲が減退し、乳房が膨らみ始め、お腹も目立つように膨らんで来ます。妊娠中期は食欲も増します。そして、妊娠後期には胎動も表れ、そして出産間近になると徐々に食欲が減ります。

そして、出産間近の行動としては、落ち着きがなくなり、探索行動を取りながら出産場所を探します。そわそわして落ち着きが無くなる他、警戒心が強まり、また攻撃的になったりもします。

猫の分娩時間には差がありますが、4時間から45時間と言う幅があります。猫は「多胎動物」と言って、一度に複数の胎子を産む為に、分娩にかかる時間に幅が出ます。人間が介入する場面はありません。

しかし、陣痛から分娩まで1時間以上経っても出産が始まらない場合や、胎盤と分娩された子猫の数が合わない場合など、また分泌物の異臭や変色には気を付けて観察し、異変と感じたら、獣医に相談する様にして下さい。

猫の平均出産数は多くて、8匹ほど、平均するとだいたい3匹から5匹です。猫は多産で、8個の乳房を持っているので、納得ですね。

出産後は母性行動を始めます。産まれて間もない子猫達は体温維持が出来ないので、母猫は子猫から長い時間離れる事はありません。

授乳は分娩後すぐに始まります。子猫に免疫力を付ける為に必要な初乳は黄色くトロトロしていてとても濃く栄養価が高いのです。

また、母猫は子猫を良く舐めます。顔を舐める時は乳房への誘導、下腹部を舐める時は排泄の誘導であったりします。

そして、巣から迷い出た子猫を連れ戻したり、敵から逃れる為に頻繁に引っ越しもします。また攻撃性も高くなります。安全な家で暮らす飼い猫にもこのしぐさは見られます。

これらの行為は母猫として正常な行動です。けれど、中には育児放棄や共食いや誘拐などを起こす雌猫もいます。ホルモンの乱れによるストレスなどが考えられます。

出産後は母猫も十分な栄養と安静な環境が必要になりますので、飼い主であるあなたも、母猫の頑張りを応援してあげましょう。

誰に教わる訳でもなく、自然に出産し子育てをする猫の姿は、たくましくもありますね。もしも、飼い猫を出産させたいと願うならば、飼い主の方が勉強をしなければならなそうですね。