老化からくる猫の病気を知っておきましょう

猫の寿命は人間よりも遥かに短く、7年をピークにその後は次第に老化が進みます。7年と言うと人間で換算すると44歳ほど、その後は1年で人間の4年に相当します。

なので、私達から見れば、たったの1年なのに、猫にとってはあっという間に歳を重ね、衰えが早く感じます。昨年までは元気だったのに、3ヵ月前までは元気だったのに、と言う具合です。

では、老化からくる猫がかかりやすい病気を幾つかご紹介します。少しでも当てはまる様子があったら、その病気を疑うのも良いかもしれません。知っておけば防げる事や対処方法も分かるので、安心でしょう。

老化から来る病気は、猫も人間も似たような症状である事はご存知ですか、代謝や免疫力が落ち、筋肉や骨、歯や脳など、衰えるのは一緒です。

飼い主がケアを手伝ってあげる事によって少しは改善や老化を遅らせる事も出来るかもしれません。例えば猫の歯ですが、猫は歯周病になりやすく、人間が与える餌によっては歯垢がたまりやすく、若い内からのケアが実はとても大切です。

歳を取ると、歯のみならず、口内炎も発症しやすく、よだれや口臭がきつくなることもあります。口の中が炎症していれば、食欲も落ちてしまうので、気を付けなければなりません。

また、全身の筋肉や骨、関節が人間と同じ様に弱ってきます。特に関節炎にかかりやすく、足を引きずったり、ジャンプが出来なくなったりします。

関節炎が始まると有効な治療法がなく、炎症や痛みを抑える注射や薬だけになってしまいます。一時的な対処方法に過ぎず、薬に頼っていては、薬さえ効かない日が来ることでしょう。

若い内から、バランスの取れた食事を心がけたり、シニア期にさしかかる頃にはサプリメントを与えたりの工夫しかありません。猫が関節炎を伴い、歩き辛そうにしていたら、部屋の中を工夫するなど、環境を整えてあげましょう。

また、胃腸なども弱る事から、便秘や排尿障害なども目立つ様になります。消化機能が年齢と共に落ちますし、運動量も減ることから便秘になりやすくなります。食事の工夫や、トイレの工夫が欠かせなくなるでしょう。

また、人間と同じ様な、脳の委縮から痴呆も始まります。単なる老化現象であれば良いのですが、食べる事に関心がなくなったり、トイレが出来なくなったりすると、他の疾患も併発している可能性があるので気を付けましょう。

そして、猫が歳を取ると、かなりの確率で発生するのが腎臓病です。目に見える症状は多飲多尿です。飼い猫がいつもと違う場所で水を多飲し始めたり、ニオイがあまり無いおしっこを多量にし始めたら、必ず疑って良い病気です。

腎臓病は血液検査からすぐに診断がつく病気なので、腎臓病と分かったら、食餌療法を続ければ病気の進行や症状を和らげる事が出来ます。手遅れになる前にぜひ、気付きたい病気です。

また、当然心臓の病気にもなりやすくなります。代表的な病気は心筋症と言って、心臓が肥大し、肺などにも水が溜まりやすくなります。

この病気は老化だけではなく、猫種による遺伝性のものやビタミン不足やウィルス感染なども原因の一つと考えられます。この病気になると、時々咳をする様になります。

肺などに水が溜まると、苦しそうな咳をするのです。くしゃみは自然現象に近いですが、この咳は見逃さない様にして下さい。あまりに続く様子ならば、一度レントゲンを撮り診断してもらいましょう。

実は、私の愛猫も20年と言う寿命の中で全て体験した症状と病気なのです。悔いが残らない事はありませんが、若い頃からのケアと、病気の早期発見で対処できる事を願います。