猫のワクチンとは法的に義務付けはされていません。どのワクチンを接種するかは獣医と相談しながら、飼い主が納得し、決める事が大切です。
ワクチンは接種する事で猫の病気に多い、感染症を防ぐ事が出来ます。感染症の中には命に関わる危険な物が多くあり、感染すると特効薬も無く、死亡するケースもあります。
しかし、重篤な副作用もあることも同時に知っておく必要があります。ワクチンで100％病気を防げるものでもありませんが、助かる命があるのも事実です。
飼い主としてより良い判断が出来るように、猫のワクチンについて詳しく学んでおきましょう。そもそもワクチンとはどんな物なのでしょうか？
細菌やウイルスが身体に入ると、免疫機能が働き、排除しようとします。一度感染すると、抗体を記憶して感染を防ぐ事が出来るのです。ゆえに、ワクチンとは弱毒化したそれら細菌やウイルスをあらかじめ接種して免疫をつくると言う事です。
どんな病気を防ぐ事が出来るのでしょうか？猫に多い感染症が主とされているその種類は、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症は3種類、猫汎白血球減少症、猫白血病ウイルス感染症、クラミジア感染症、猫免疫不全ウイルス感染症（猫エイズ）の8種類となります。
8種類の病気の為のワクチン接種については、単独で行うワクチンの他、3種混合や5種、6種、7種混合と分かれています。一般的な物は3種混合と言われています。
また、ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。生ワクチンは弱毒化または無毒化した生きたウイルスの事を言います。効果も高いですが、副作用も大きいです。
そして、不活化ワクチンですが、ウイルスが死んでいる状態で接種され副作用は低いですが、予防効果は下がります。また成分により腫瘍が出来やすいと言う報告もあります。
では、ワクチンの接種はいつ頃が良いのでしょうか？最初のワクチンは生後2ヵ月位に接種すると良いと言われています。母猫からの免疫が無くなる直前に接種します。
免疫がある内は接種しても効かない為に、この時期に数回接種すると安心です。また、子猫に限らず、最初にワクチンを接種するには2回接種する事が必要です。
飛躍的に免疫力が上がるので、成猫に初めて受けさせる時は最初の接種から1ヵ月後にもう一度接種させる様にします。その後は年に1度の接種で免疫力をキープする事が出来ます。
しかし、最も大事な点を一つ覚えておいて下さい。冒頭でも深刻な副作用がある事は説明しましたが、ワクチン接種は元気で健康な猫にしか打つ事が出来ません。
一見元気な様に見えても、実はウイルスを保菌していた場合まれに、そのウイルスを活性化させてしまい、病気の症状が出てしまう事もあります。
白血病のワクチンを接種したら、白血病にかかり亡くなってしまったと言う、事例も実際に報告されています。ではどうしたら良いのでしょうか？
ワクチン接種前には必ず、猫の体調をチェックしてあげましょう。最善なのはウイルス感染していないかの健康診断です。
ワクチン接種の後も、注意深く見守ってあげて下さい。まれに強いアレルギー反応のアナフィラキーショックが起こる事があります。接種15分から30分ほどで起こるので、その時間は余裕があれば病院で待機しましょう。
また、接種後は軽い感染症にかかった症状が出て、ぐったりする猫がほとんどですが、一日もすれば元気な状態に戻りますが、回復せずいつもと様子が違うようでしたら、すぐ病院に連絡しましょう。
この事をきちんと理解、把握する事で、飼い主としてより最善なワクチン接種を考えましょう。小さな命を守る大切な事なのですから。
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