猫にはライバル心や競争心はあるのか?その猫心とは?

猫はライバル心や競争心と言う感情をそもそも持っているのでしょうか?発情期になると猫の喧嘩を見かける事はあります。

その喧嘩がライバル心なのか競争心なのか?猫に尋ねる訳にもいかないので、ちょっとじっくりと猫達を観察してみましょう。

何度となく触れていますが、そもそも野生の猫は単独で獲物を獲ります。犬の様に群れを持たないので、それぞれにテリトリーと言うものが存在します。

いわゆる、縄張りですね。お互いに微妙な距離感を保ちながら、その縄張りを維持し、また一部を共有しながら、生活している様です。

もちろん、餌を確保する縄張りですから、他の猫が侵入してくるのを嫌がりますが、ライバル心からテリトリーを広げたり、沢山獲物を捕ったぞ!なんて競争心がある訳では無さそうですね。

ライバル心や競争心では無くて、これは縄張りを守る為の、敵対心ですね。そう考えると、ライバル心や競争心は群れ社会に生きる動物特有の感情の様なのです。

猫には上下関係も、嫉妬や優越感、劣等感もあまりないのでしょうか?では、観察の目を外から、家の中で飼われている猫に移して見てみましょう。

家の中で一匹で飼われている猫は天下泰平です。しかし、窓から外をパトロールするその目に、見知らぬ猫を見つけたら、唸って威嚇している姿を見かけたりしませんか?

家の中がテリトリーなので、そこに近づく、よそ者に対しては敵対心が生まれる様です。ましてや、新しい猫を迎えるとなると、注意が必要です。

では、多頭飼いをされている猫達はどうなのでしょうか?沢山の仲間と共に暮らす中でライバル心や競争心は芽生えるのでしょうか?

最近、この様な事が分かって来ているようです。それは、十分な餌とスペースが用意されていれば、複数の猫達の中では、暗黙の了解の自然なランク付けが見られるそうです。

こういう状況下に置かれれば、単独行動主義の猫でも、社会性を持ちながら生活をせざる負えないと言う事なのでしょうか?

猫の数だけ、相互関係が生まれ、そのバランスは微妙で、ちょっとした事で変わりやすく不安定でもあるようです。

そもそも、その猫の生まれ育った環境で、どれだけ社会性が身についているかで変わるようです。子猫時代の生後2~8週間に色々な動物に触れ合い、人間に慣れていると、成猫になっても他の仲間と仲良く出来るのです。

この自然なランク付けも、猫の性別や性格、年齢、大きさ、健康状態など様々な要因を経て決まるので、その時の状況で変化するのも分かりますね。

人に飼われる様になってからは、より猫も警戒心が薄れて、社会性を身につける様になって来たのでしょう。しかし野生の猫は今でも、人に懐きにくく、仲間であっても決して心を許しません。

もしも、私達が猫の様にライバル心や競争心を持たなかったら、社会はどうなるのでしょうか?平和な世の中になるかもしれませんが、発展や繁栄は難しくなる様な気がしますね。

しかし、猫の世界にライバル心や競争心が無かったとしても、生きるには決して困るわけでは無さそうですね。他の猫より芸が上手くて、餌が沢山貰えるから、芸を頑張ろうなんて言う猫は見た事ありませんよね。

優越感も劣等感もあまり感じる様な場面に出会った事はありませんが、嫉妬心だけはもしかしたら有るのではないでしょうか?

他の猫ばかり可愛がっていると何だかいじけた感じに見受けられるのは、人間の勝手な解釈なのかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?

ともあれ、社会性を持つ私達が日頃、ライバル心や競争心の中で生活しているゆえに、それを持たない自由な猫に憧れるのかもしれないですね。