三毛猫の雄がほとんどいないと言う不思議を解き明かそう

実は!三毛猫の雄がほとんどいないってご存知ですか?良く見かける、三毛猫って実はほとんどが、雌猫なのです!その不思議を解き明かしていきましょう。

あまり、深く考えた事が無い方も多いかもしれませんが、猫を飼いたいなと思って、性別は雄が良くて、柄も三毛が良いなと思って探した方は居るかもしれませんよね?

でも、見つからなかったと思います。多分、そうそう居ないと思います。いや、見つかったなら相当、珍しいと思います。希少性で言うと、なんと3万匹に1匹の割合だそうです。そう聞いたら、どうしてなのか知りたくなりますよね。

つまり、遺伝子の世界に足を踏み込まないと、いけなくなるちょっと難しいお話になってしまいます。うまく説明出来るか、こちらが心配になって来ましたが、いってみましょう!

そもそも、猫の毛の色は遺伝子で決まります。猫でも人でも同じですね。遺伝子とは身体の設計図なのですが、まず、遺伝子ってどこにあるのでしょうか?

遺伝子は身体の中の細胞の中にヒモみたいな物があって、色素に染まるその存在が染色体と言われ、その染色体の中にDNAと言うものがあってそれがどうやら色々と遺伝を決めているらしいのです。

何だか、ややこしくなってきましたが、大丈夫ですか?つまり、三毛猫の雄が居ないのはこの染色体が関係している様です。染色体は2本が1対になった状態で存在するらしいのですが、猫の染色体は19対で38本だそうです。

性別を決める染色体は雌猫がXXで雄猫がXYになります。この組み合わせで性別が決まるとの事ですが、次に本題の毛の色ですが、茶色の毛の色を決める染色体がこのXに乗って決まります。

しかし、遺伝子の中には優性と劣性があり、遺伝情報を「出せ」の命令は優性で、「出すな」の命令は劣性となります。なので、猫の場合はこの茶色の毛に関する優性遺伝子が2つ揃う事で茶色の色が出て、劣性遺伝子が2つ揃うと茶色以外の色が出るそうです。

つまり、優性と劣性が二つ揃うと、三毛猫になると言う仕組みになります。と言う事は両方揃う為にはXの染色体が2つ必要なので、当然2つのX染色体を持つ雌猫にしか三毛が生まれないと言う事になります。

しかし!遺伝子の世界は深いのです。極まれにですが、XXYと言うXが2つ揃う雄猫が居るのだそうです。しかし、最初にお話した通り、染色体は対になっている物なので、XXYでは減数分裂出来ず、つまり2で割れませんので、正常な精子が作れず、繁殖能力が無い、雄猫になってしまうそうです。

だけど、だけれども、ちょっと待った!遺伝子の世界は不思議がいっぱいです!なんと、XXYYと言う染色体を持つ雄猫が存在すると言うではありませんか!

つまり、2で割れますね。分裂出来ますね!生殖能力を持った三毛の雄猫の誕生です。もうこうなると、何が常識で何が不思議なのか分からなくなりますが、そう言う事も稀にあるそうです。

三毛猫の雄はその昔、あまりに珍しいので、漁師が航海の守り神として船に乗せていたそうです。また、南極越冬隊が航海の安全の為に三毛猫の雄の「タケシ」と言う猫を一緒に連れて行ったエピソードもあるそうです。

しかし、生命とは不思議な物です。刻まれた遺伝子によって受け継がれて行くものですが、突然変異と言う事が起こって、今までの常識とは違う事が起こる事もあるのですから、この先もっともっと不思議な模様の猫が生まれて来るかもしれませんね。

けれど、出会いはいずれも奇跡なのですから、どんな毛色でも性別でも、あなたにとっては特別な存在になるのではないでしょうか?