猫が水を多飲している時に気を付けたい病気とは?

猫は元々は砂漠に生息していたと言われ、水を多飲せずとも大丈夫な体の作りをしています。その為に猫のオシッコはとても濃くて泌尿器系の病気が実はとても多いのです。

泌尿器系の病気の代表としては尿結石や膀胱炎などが良く知られる所ですが、もうひとつ重大な病気も潜んでいます。それは慢性腎不全です。

この病気の目立った症状の一つとしては水をたくさん飲むようになります。と同時にオシッコの量も当然増えますが、猫本来の濃いオシッコが出ず、におわないのです。

猫のオシッコはとても臭い物なので、最近あまりニオイがしないと飼い主としては有り難いので見逃しやすいのです。

砂漠で暮らしていた猫は余計な水分を体から排出させない為に、濃度の高いオシッコを出しますが、この働きを補う腎臓がダメージを受ければ老廃物を含んだ濃いオシッコが出せません。

見た目には全く変化が無いこの病気の恐い所ですが、腎機能が弱まれば、体内の老廃物を排出出来ずに尿毒症になってしまう事もあります。

実は猫にとても多い病気で、特に13歳以上の高齢の猫に多い病気なのです。しかし、いきなり発症するものではなく、若い内から徐々に発症すると言われています。

一度壊れた腎臓の機能は回復する事はありません。また、慢性の腎不全は実は腎臓が66%までは機能が失われたとしても、特別な症状が表れないのです。尿検査や血液検査でも分からない事もあるそうです。

腎臓のダメージ率が66%以上を超えてきたあたりから、徐々に症状が表れます。その代表的な症状が先に触れた多飲多尿です。明らかに飲み水の減りが多く、オシッコの量が増えていたら疑ってみましょう。

多飲多尿の症状にとどまらず、腎不全が進行すると、最悪の場合は下痢や嘔吐や体重減少など命に関わる症状となります。

早期発見が出来れば、適切な対応次第では何事もなく、健康に老後を過ごせ長生きも出来るのです。多飲多尿以外の慢性腎不全の疑いが持たれる症状は以下の通りです。

オシッコがにおわない、下痢や便秘、脱水症状、歯茎が白く貧血が見られる、よく吐く、毛艶が無くなる、体重が落ちる、食欲が無いなどです。

他の病気も考えらますので、少しでも気になれば、病院で血液検査をしましょう。病気が進行していると血液検査ですぐ判断できます。

慢性腎不全は猫に多い病気ですが、防ぐ手立てはあるのでしょうか?先ずは、当然ですが、新鮮な水を沢山飲ませましょう。飲料水以外にも水分が摂れる様にウェットタイプの餌も積極的に取り入れてあげましょう。

また、食事のミネラル分を抑えましょう。塩分などミネラル分が多い食事、海苔や煮干しなども気を付けましょう。腎臓の負担になります。

また、白血病などの感染症が原因で慢性腎不全が誘発される事もあるので、完全室内飼いやワクチンも予防策の一つと言われています。

腎臓のダメージが90%を超えてしまうと、体中に毒素が溜まり排泄出来なくなってしまい、尿毒症になり命の危険を伴います。この様な事がない為にも日頃のケアや観察もとても大事になってきます。

万が一、この様な病気になっても、療法食やケアで健康に長生き出来る猫もいますので、むやみに恐がる事なく、冷静に対応しましょう!

普段から、愛猫の様子を観察していれば、小さな変化に気づく事が出来ます。人間にとっては小さな事でも、体の小さな猫にとっては大きな変化であるかもしれません。ぜひ、注意深く観察する事で、これらの恐い病気から猫を守ってあげて下さいね。