猫は死ぬ時に姿を隠すって本当なのか、その真実とは?

猫は死ぬ時に姿を隠すという言い伝えを、どこかで耳にした事があると思います。果たして本当なのでしょうか?死を覚悟した猫が自分でそれを感じて姿を隠すのでしょうか?

猫を飼った事がある人なら、おのずとその答えを知っていると思います。喋れない猫でも、飼い主との信頼関係から、その事が真実なのかどうなのか、伝えてくる様な気がします。

では、その言い伝えを信じている、あなたへ本当の事を知って貰いたいと思います。猫の本当の気持ちを知ったらあなたはどう感じるでしょうか?私の体験を交えながら、その真実について、じっくりと考えてみましょう。

少し昔の飼い猫は、家と外を自由に行き来していたのではないでしょうか?最近は様々な事情から、完全室内飼いを推奨されている事もあって、あまり外を自由に闊歩している猫は見かけない様に感じます。

それゆえ、外に出掛ける猫には自由と危険がいっぱいでした。その事により、出掛けた先で交通事故にあったり、喧嘩の負傷で動けなくなったり、恋の相手を探す旅に出てしまったり、家に帰って来なくなる猫、帰れなくなる猫もいたでしょう。

自分の意思で帰らない猫と、帰りたくても帰れない猫とでは理由が全く違いますね。動物は、傷を負っている姿や弱っている姿を堂々とさらす事はありません。もしも、出掛けた先で負傷したら、猫はどうすると思いますか?

猫は具合が悪くなると、身を安全な所に隠して、ひたすら回復するのを待ちます。何も食べずに、とにかくじっとしています。外で怪我や病気になってしまったら、どこかで回復するのをじっと待つでしょう。

そうこうする内に容態が悪化して、その場で息絶える事もあったでしょう。身を隠しているので、亡骸さえも見つからない事が多いのです。

そんな猫の事を偲んで、飼い主は姿を消したのだと思ったに違いありません。では、室内飼いの猫はどうでしょうか?

私が飼っていた猫は、徐々に歳を重ねて、段々と弱っていきました。いつその命の灯が消えかねないか、不安な日々もありました。

ある時、容態が急変し具合が悪くなった時は、やはり暗くて静かな場所で苦しんでいました。猫は自活能力が高い動物です。どんなに具合が悪くても、頼らず、ひたすらじっと耐えるのです。

大好きな飼い主に甘えて助けを求める様な事はないのです。ひたすら耐える愛猫を私達はそっと見守る事しか最後は出来ませんでした。

最後は家族に看取られて天国に旅立って行きましたが、その姿は決して死を悟り、姿を隠すと言う行為には思えませんでした。

最後まで、苦しくても辛くても、一生懸命に生き抜こうとする姿しかありませんでした。猫は決して生きる事を諦めないとその時強く感じたものです。

またきっと、元気にご飯を食べて、元気に遊べると思っていたのではないでしょうか?死を覚悟して身を隠すと言うのは、人間の都合の良い解釈でしかありません。

動物は自ら命を断つ事は無いと言います。とにかく、今を一生懸命に生き抜くその姿は、私達に勇気や希望をくれる存在です。

もしも、室内飼いでなければ、また元気になれると信じて、どこかでじっとしている内に家に帰れなくなっていたかもしれませんね。

しかし、現代では猫の行動範囲も狭くなり、猫の様子を身近に感じながら生活しています。そんな猫の様子を通して、この言い伝えは真実ではないと強く感じました。あなたはどの様に思いましたか?