猫が顔を洗うと雨が降ると言うのは迷信なの?その真実とは

猫の愛らしいしぐさの代表として、前足を舐めながら、顔をクルクルとこする姿は誰しも目にした事はあると思います。顔を洗っているの?何をしているの?と不思議なしぐさでもありますね。

猫は元々捕食動物なので、敵に気付かれない様に食べ物の匂いが付きやすい口の周りの汚れを綺麗にする為に顔を良く洗うとも言われています。

また、昔の言い伝えで、猫が顔を洗うと、雨が降るなんて言うのを聞いた事はありませんか?あれは一体どういう意味だったのでしょうか?猫に天気を当てる力があるのでしょうか?

一説には、猫はとても湿気に敏感なので、雨が降る前に湿度が上がると、それを感じ取り、その湿気を嫌い顔を洗っているのではないかと言われています。

では、なぜ?猫は湿気を嫌うのでしょうか?猫の顔を良く見た事はありますか?猫の顔には沢山センサーがあるのです!そのセンサーと言うのはヒゲですね。

一番目立つのは上唇の両側、鼻の横辺りですね。ヒゲが左右に大きく生えています。またヒゲは目の上にも頬の辺りにも、あごの下にも生えています。良く見れば、顔全体にこのヒゲと言う物が見られます。

ヒゲの根元には神経が通っていて、ヒゲを通して、様々な情報を得ているようなのです。獲物を狙って狭い隙間を通れるか、ヒゲで素早く感知したり、空気の流れを感じたり平衡感覚を保っていたりもしているのです。

つまり、この大事なセンサーが湿気で濡れてしまうと、感度が落ちてしまう事から、猫が顔を洗うと雨が降ると言われたのではないかと推測されます。

しかし、これには根拠もなく、猫は大事なヒゲが汚れれば、晴れであろうが、雨であろうが、顔を洗います。言ってみれば、年中顔を洗っています。大事なセンサーですので!

地方によっては、猫が顔を洗うと晴れるなんて言う所さえあるらしいのです。その他、猫による天気予報の、ことわざも数多くあるようです。お尻を舐めると雨とか、そわそわすると嵐とか何だかどれも頼りなさそうな予報ですね。

そもそも、猫は大事なセンサーであるヒゲを手入れしている訳ですから、事の真偽は猫にしか分からないですが、強いストレスなどを感じている時に丁寧に顔を洗い、気持ちを落ち着けているとも言われています。

衛生上の為の顔洗いから、精神面での顔洗いや猫の性格からも、この顔洗いの頻度は違ってくる様です。神経質な猫にこの顔洗いが多いとも言われています。

また、こんな言い伝えもあります。その昔、東京世田谷にある豪徳寺に飼われていた猫が、寺の前で顔を洗っていた姿を通りかかりの大名がまるで招いている様だと寺に寄った所、その後の雷雨を避けられて喜び、それが縁でその大名の菩提所となり豪徳寺は栄え、その猫が亡くなった後も手厚く供養したと言う話です。

その後はこの猫の姿を人形にした招き猫が全国に広まったと言うのです。つまり、猫が顔を洗うと雨が降るとはこんなちょっとした勘違いの言い伝えから関連付けられているのかもしれないですね。

それにしても、偶然ですし、顔を洗っていただけですよ、と猫の言い訳も聞こえてきそうですが、たまたま、顔洗っていたら、喜ばれたなら、それはそれで良しとしましょう。と言う感じでしょうか?

けれど何よりも、大事なのは猫は湿気や汚れからヒゲを守る為にお手入れしている訳なので、猫のヒゲをむやみに引っ張ったり、ましてや間違っても切らない様にしましょうね。

猫が顔を洗うのは、大事なセンサーでもあるヒゲをいつでもキレイに保ち、ピンとさせて獲物を狙ったり、素早く隙間に潜り込んだり、湿気や空気を感じ取ったりする為ですので、天気予報は猫ではなくて専門家に任せましょう!