猫は家につくと言われたのは一昔前の話?最近の事情と真実

「犬は人につき、猫は家につく」と言うことわざを耳にした事はありますか?この由来は本当なのでしょうか?犬や猫を飼い、引っ越しなどを経験した事がある人ならば、我が家は違うと思う方も多いと思います。

この言葉がいつ頃から、使われ始めたのか謎ですが、その頃と現在とはだいぶ飼育事情も違いますし、犬と猫と人との関わり方も全く違うのではないでしょうか?

我が家の猫も4回の引っ越し経験がありますが、引っ越すたびに馴染み、4回目はその場で慣れてしまいました。これってどういう事でしょうか?

飼い主と馴染んだ品物が一緒ならば、実は全然平気ではないかと思ったほどです。では、昔と今の飼育事情の差と飼い主との関わり合いなどを通して、詳しくひも解いてみましょう。

少し昔の猫の飼い方と言えば、まだ都会と言えども、家の周りも自然が多く、交通量も少ない時代は自由に外を行き来し、ネズミや小鳥や虫を捕って暮らす猫が多かった様に思います。

いつしか、野良猫問題や交通事故、病気、近隣からの苦情など、様々な問題から完全室内飼いを推奨される様になり、以前よりぐっと外を闊歩する猫の姿を見かけなくなりました。

もちろん、郊外や田舎などでは、自由な暮らしぶりの猫はまだ多く、全ての猫が完全室内飼いではないのですが、昔よりも猫を外に出す人は少なくなりました。

自由に外を行き来する猫は、家でご飯をもらいながら、屋外でも狩りをして生活するので、外も大切なテリトリーであったのでしょう。

その為に引っ越しをして、そのテリトリーが変わる事自体に馴染めず、そこを離れられなかった事から、家につくと言われたのではないかと推測します。

昔の猫は、ネズミ番の様な飼われ方をしていたので、餌も人の残り飯に味噌汁や鰹節をかけた、猫まんまと呼ばれる質素なご飯だった事から、それでは栄養的に不十分だったのかもしれません。

足りない餌を求めて、家の周りのテリトリー内で、捕食していたとしたら、家もその外回りも大事なテリトリーなので、引っ越す事は死活問題だったのでしょう。

現代では愛玩動物として飼われる猫は栄養バランスの取れた餌を十分与えられ、自分で狩りをせずとも家の中だけで、十分な暮らしを保障されています。

それゆえに、現代の猫事情からすれば、猫も人につくと言う事ではないでしょうか?ずばり!このことわざを今も信じている人に伝えたいのは、犬も猫も人につき、環境の変化が苦手なだけ!と言いたいですね。

猫よりも犬の方が多少、環境の変化に強いだけであって、本来どちらとも環境の変化には弱いのです。飼い主が十分な配慮をしてあげなければならないと思います。

特に猫の場合は新しい引っ越し先に馴染みにくいとされていますので、前の家で愛用していた品物や、自分のニオイの付いた家具などを一緒に持っていけば、しばらくすると馴染みます。

しかし少し気を付けなければならない事があります。現代はその様な猫が多いと話しましたが、人懐っこい猫とあまりそうでない猫との性質の差も見極めないとなりません。

家の中で飼っていても、あまり懐かず単独性が強い猫は、飼い主が外に連れ出すのも難しいとなれば、いわゆる人よりも家についていると考えられます。

家につくとは少し大げさかもしれませんが、飼い主と居る安心感より家に居る安心感が強いと言う事になりますので、そう言うタイプの猫が居る時の引っ越しは十分に気をつけてあげたいものです。

飼い主として、猫のタイプの見極めをきちんとしてあげて下さい。ことわざの意味が変わるほどに、現代のペット事情も大きく変化している事が分かりますね。