去勢や避妊は猫にとって本当に必要な事なのか考えてみよう

猫にとって去勢や避妊は必要な事なのか、飼い主の立場から、また地域猫と呼ばれる野良猫達も含めてこの事についてじっくりと考えてみましょう。

猫の繁殖能力は生後1年で成熟期を迎えて1年で3回から4回ほどの発情期を迎えます。それを単純に計算していけば、1匹の雌猫が1度に3匹の猫を生み続け、その半数が雌猫と仮定し、年に3回出産を重ねていたとすると、3年で200匹以上に増えてしまいます。

しかし、これは、一匹も亡くならない事を仮定した話ですので、実際はネズミ算の様に増える訳ではありません。野良猫と言う立場なら、過酷な環境で成長しない子猫も沢山いる事でしょう。

一昔前は、猫に去勢や避妊をさせる事が常識でない時代もありました。けれど、猫がむやみに増えなかったのは厳しい環境で自然に淘汰されていたからでしょう。

しかし、今では野良猫も、栄養価の高い餌をもらい、人間と寄り添う様に生きていけば野良猫も長生きし、増え続けてしまいます。

飼い猫であっても、今は平均寿命が15年と言われるほど長くなりましたので、去勢や避妊をさせないと病気や問題行動のリスクも高くなるのです。

こうして、飼い猫や地域猫を面倒みる立場からしたら、去勢や避妊は決して残酷な事ではないのです。より良くお互いが生きる為には大切な事なのです。

猫と言う動物は既に、人間にとってはペットであり、つまり家畜として共に暮らす立場にあります。自然界で生き抜く野生の猫もいますが、私達の周りにいる猫は既に何かしら、人間の生活範囲の中で暮らしています。

つまり、自然に生きる猫ではなくなって来ているのです。自然とはとても厳しく、過酷であり、その中で生き抜く為に人間は文明社会を作り生き抜いています。

その中で暮らす猫も、既に自然界の生き物ではないのかもしれません。そうなれば、やはり人の手によって去勢や避妊をさせる価値観を持ちながら模索していかなければならないのではないでしょうか?

とても難しい問題ですが、猫を飼い、責任を負う方法としては現代では一番最適な方法であると思います。実際に猫と共に暮らしてみると、去勢や避妊をした猫の方がぐっと飼いやすくなります。

年に3度も来る発情期の騒がしさや、喧嘩やマーキングなど、無我夢中で相手を探しまわり外に出て、交通事故に合う可能性もあります。また、病気のリスクも高まります。

猫の一生とは人間に比べとても短いのです。その短い人生の中でいかに沢山の子孫を残すか、去勢や避妊をしていない猫はとても私達が知る可愛いくゆったりとした動物ではないでしょう。

野生動物が子孫を残す為のエネルギーは私達の想像を超えるものです。飼い猫の発情期を経験した飼い主ならば分かる事でしょうが、早熟した雌猫なら生後4ヵ月で発情期が来ます。

まるで、猫が変わった様になるのです!それを見た飼い主はやはり避妊を決意する事でしょう。繁殖を考えていない場合は猫にとっても幸せな事なのかもしれません。

相手を求めて、外に出られない猫ならば尚更です。猫と共に幸せな暮らしを送る事は時代と共に変わってきているのです。その事を考えれば、決して不自然な事ではなく、必要な事である事が分かるでしょう。

去勢や避妊をさせる事で、病気のリスクも減り、健康で長生き出来るとも言われていますし、性格も断然穏やかになり、飼いやすくなるとも言われます。
あなたは、愛猫の去勢や避妊は反対ですか?賛成ですか?ぜひ、じっくりと考えて見て欲しいのです。